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家賃相場は、駅ごとに比べればいいの?

エリアと相場 約7分で読めます

おせっかい度 まぁまぁ、おせっかい

伊藤 眞子

駅の相場と予算が合わないと、焦りますよね。条件をそろえた比べ方と、条件の動かし方を書きました。

目次
  1. 駅ごとの相場は、何をまとめた数字なの?
  2. 同じ駅なのに、どうして家賃に差が出るの?
  3. 家賃は、何をそろえて比べればいいの?
  4. 予算に合う部屋がないときは、どうすればいい?
  5. よくある質問

お客様

駅の相場どおりの予算で探しているのに、合う部屋が見つかりません。

引っ越し先のご相談で、こうしたお話を伺うことがあります。ポータルサイトの「駅ごとの家賃相場」は、ワンルームならいくら、1LDKならいくらと見比べられて便利です。

ただ、その数字だけで「この駅なら予算内に収まる」と決めると、見込みが外れることがあります。同じ駅でも、駅からの距離や築年数、建物のつくりで家賃は大きく変わるからです。駅の数字は、あくまで入口の目安です。

この記事では、条件をそろえて相場を調べる方法と、予算に合う部屋を見つけるための条件の動かし方をお伝えします。

駅ごとの相場は、何をまとめた数字なの?

担当・伊藤

その駅を最寄りとする、さまざまな部屋の家賃をまとめた目安です。

ただ、何をどう集計しているかはサイトごとに違い、一覧の数字からは中身までは分かりません。駅前の新しいマンションも、駅から離れた古いアパートも、同じ一つの数字にまとめられています。

駅の近くに新しい建物が多い駅なら、相場は高めに出やすくなります。反対に、古いアパートが多い駅なら低めに出ます。つまり数字の差は、街の人気だけでなく、その駅にどんな部屋が多いかでも生まれます。

もうひとつ気をつけたいのが、相場の数字に管理費や共益費が入っているかどうかです。サイトによって扱いが違うことがあり、入っていない数字を予算と比べると、毎月の支払いを少なく見積もってしまいます。

同じ駅なのに、どうして家賃に差が出るの?

担当・伊藤

駅からの距離や築年数、構造や設備などの条件で、家賃は変わるからです。

同じ駅の同じ間取りでも、家賃に差がつく条件はいくつもあります。おおまかには次のとおりです。

  • 駅からの距離:近いほど高くなりやすい
  • 築年数:新しい建物ほど家賃も上がる傾向
  • 建物の構造:木造より鉄筋コンクリート造などが高めになりやすい
  • 階数:同じ建物なら上の階が高めに設定されることがある
  • 間取りと広さ:同じ1Kでも広さには幅がある
  • 設備:オートロック、バス・トイレ別、宅配ボックスなど

このうち設備の多くは、ポータルサイトの検索条件で絞り込めます。オートロックやバス・トイレ別を条件に入れると、候補は減り、家賃の水準も変わってきます。外せない条件を先に決めておくと、相場の見方がぶれにくくなります。

構造による違いは、公的な統計でも見ることができます。総務省の「住宅・土地統計調査」では、民営の賃貸住宅を木造と非木造に分けて家賃を集計しています。広さの違いをならすため、1畳あたりの家賃で並べたのが次の図です。

(円(1畳あたり))

項目値
木造2,916
非木造4,151

出典:総務省「令和5年住宅・土地統計調査」

  • 対象は全国の民営借家(専用住宅)で、2023年の数字です
  • 畳数は玄関や台所などを除いた部屋の広さで、洋室も畳に換算しています
  • この統計の家賃には、管理費や共益費は含まれていません

全国をまとめた数字なので、地域や立地の違いもまじっています。構造だけで差がついたとは言い切れません。それでも、建物の種類によって1畳あたりの家賃に1,000円以上の開きがあることは読み取れます。

1か月あたりの家賃では、同じ調査で木造が54,409円、非木造が68,548円でした。そして駅の相場には、こうした建物の違いがまとめて入っています。自分が探す条件の部屋が、その数字と同じ値段とは限りません。

家賃は、何をそろえて比べればいいの?

担当・伊藤

管理費・共益費を足した月々の総額で、条件の似た部屋を何件か並べます。

賃貸の募集では、家賃とは別に管理費や共益費が書かれていることがよくあります。共益費は、廊下や階段の電気代や清掃費など、共用部分にかかる費用です。管理費も共益費も毎月かかるので、実際の支払いは家賃との合計になります。

たとえば、家賃7万円で管理費が0円の部屋と、家賃6万5千円で管理費が8千円の部屋があるとします。家賃だけ見れば後者が安く見えます。ところが総額では前者が7万円、後者が7万3千円になり、順番が入れ替わります。

お客様

6万5千円の部屋が安いと思っていたら、管理費が8千円でした…。

担当・伊藤

見落としやすいところですよね。家賃7万円で管理費0円の部屋と比べると、総額は逆になるんです。

お客様

本当ですね。予算はどう決めておけばいいですか?

担当・伊藤

管理費込みの総額で、上限を決めておいてください。駐車場や駐輪場の料金がかかる部屋なら、それも足して比べましょう。

検索の画面に「管理費・共益費込み」で絞り込める項目があれば、使ってみてください。不動産の広告では、管理費や共益費は1戸あたりの月額を書くことが業界の決まりです。ただ、図面の端に小さく書かれていることもあるので、図面全体に目を通しておきましょう。

総額をそろえたら、次は比べる部屋の条件をそろえます。自分にとっての相場を知るには、駅からの徒歩分数・築年数・広さ・構造・外せない設備をある程度決めてから探すのが近道です。似た部屋どうしを比べられるので、駅名だけで探すより実際の値段に近い数字が見えてきます。

出てきた部屋を5〜10件ほど、表に書き出してみてください。家賃と管理費・広さ・築年数・駅からの分数を並べると、どの条件で値段が上下しているかが分かります。1件だけ極端に安い部屋があれば、何が違うのかを担当者に確かめてください。

広さの違う部屋どうしは、1㎡あたりの家賃で比べます。月々の総額を専有面積で割るだけです。総額7万円で25㎡なら2,800円、総額7万5千円で30㎡なら2,500円です。総額が高いほうが、広さのわりには割安だと分かります。

表に書く駅からの分数にも、見ておきたい点があります。図面の「徒歩◯分」は、道路距離80mを1分として計算したものです。信号や踏切の待ち時間、坂道は考えなくてよいとされているため、地図で実際の道のりも見ておくと安心です。

予算に合う部屋がないときは、どうすればいい?

担当・伊藤

条件は一度に1つだけゆるめ、増えた候補の数を見比べながら進めます。

希望の駅で予算に合う部屋が見つからないときは、条件を1つだけゆるめてみてください。いっぺんに全部変えると、何が効いたのかが分からなくなります。

駅を動かすなら、急行や快速が止まる駅の隣の駅を探してみるのもひとつの方法です。各駅停車だけが止まる駅は、隣の止まる駅より家賃が落ち着いていることがあります。通勤先までの時間が数分しか変わらないなら、候補に入れてみてください。

また、同じ方面へ向かう別の路線にも目を向けると、通勤時間は同じくらいで家賃が違う駅が見つかることがあります。乗り換えの回数や朝の混み具合、終電の時刻もあわせて調べておきましょう。

駅を変えたくない場合は、駅からの距離か築年数を少し広げてみてください。徒歩5分以内を10分以内に、築10年以内を築20年以内にするだけで、候補が増えることがあります。ただし、バス・トイレ別のように毎日の暮らしに関わる設備は、できるだけ残しておくと後悔が少なくなります。

お客様

どうしてもこの駅に住みたいんですが、予算内の部屋がほとんどなくて…。

担当・伊藤

好きな駅だと、あきらめたくないですよね。駅はそのままで、距離か築年数を少し広げる方法があります。

お客様

それならできそうです。でも、どこまで広げていいのか心配で。

担当・伊藤

一度に動かすのは1つだけにしてください。私なら、毎日使う設備は最後まで残しておきます。

駅名で探さず、条件で並べる。

不動産会社に相談するときも、「この駅で7万円くらい」とだけ伝えるより、条件まで伝えるほうが話が早く進みます。「管理費込みで7万円まで、駅から徒歩10分以内、築年数は少しゆずれます」のように伝えてみてください。近くの駅や別の路線の部屋も、同じ条件で並べてもらうと比べやすくなります。

駅の相場は、街を選ぶときの入口としては役に立つ数字です。ただ、実際に借りる部屋の家賃を決めているのは、駅名ではなくそれぞれの条件です。

よくある質問

駅ごとの相場は、あてにならないのですか?

街を選ぶ入口としては役に立ちます。ただ、自分が探す条件の部屋が、その数字と同じ値段とは限りません。

広さの違う部屋は、どう比べればいいですか?

月々の総額を専有面積で割り、1㎡あたりの家賃で比べると分かりやすくなります。

予算は、家賃と管理費のどちらで決めればいいですか?

管理費・共益費を足した総額で、上限を決めておくのがおすすめです。