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事務所の広さは、何人で使うかでどう決める?

開業と物件さがし 約7分で読めます

おせっかい度 まぁまぁ、おせっかい

山内 祐人

何坪がいいのか、最初は見当がつきませんよね。人数から広さを考えるときに、私が確かめていることを書きました。

目次
  1. 事務所の広さは、何から決めればいいの?
  2. 1人あたり、どのくらいの広さが要るの?
  3. 契約書の面積は、そのまま使える広さなの?
  4. 人が増えそうなら、どんな借り方がいいの?
  5. 人が増えると、守る決まりも変わるの?
  6. よくある質問

お客様

事務所を探し始めたんですが、何坪くらいを見ればいいのか見当がつきません。

事務所探しのご相談で、こうしたお話を伺うことがあります。「とりあえず20坪くらいで」と、広さから話し始める方も少なくありません。

ただ、その20坪が多いのか少ないのかは、人数と働き方が分からないと判断できません。私たちが最初に「何人で使いますか」とうかがうのは、そのためです。駅や予算、ビルの新しさの話は、その後です。

この記事では、人数から広さを考えるときに私たちが確かめていることをまとめました。最初の事務所にも、移転にも使える考え方です。

事務所の広さは、何から決めればいいの?

担当・山内

今と1年後の人数に、出社の割合と来客の多さを添えて決めていきます。

広さを決める出発点は、そこで働く人の数です。人数をうかがうときは、今の人数だけでなく、1年後に見込んでいる人数も聞いています。事務所は、一度入ったら数年は使い続けるつもりで借りるものだからです。入居してすぐに手狭になると、移転の費用と手間がもう一度かかってしまいます。

あわせて聞くのが、毎日出社する人と、在宅で働く日がある人の割合です。全員が毎日そろうのか、半分ほどが交代で出社するのか。同じ5人でも、働き方によって必要な机の数は変わります。

来客の多さも大事な情報です。打ち合わせが週に何度もあるなら、会議の場所を確保する必要があります。外の会議室を借りて済ませるのか、自分たちの部屋に置くのか。答えによって、同じ人数でも求める広さが変わってきます。

お客様

今は5人ですが、来年は採用を増やしたいんです。ただ、本当に採れるかはまだ分からなくて。

担当・山内

先が読めないと、広さも決めにくいですよね。それでかまいません。

お客様

よかった。何をお伝えすればいいですか?

担当・山内

確実な人数と、うまくいけば増える人数を分けて教えてください。私はその幅の中で探します。

幅が分かっていれば、広さの違う候補を並べて比べることもできます。

1人あたり、どのくらいの広さが要るの?

担当・山内

法律の最低限は1人10立方メートルの空間で、働きやすい広さは使い方から積み上げます。

最低限の基準を定めているのは、労働安全衛生法に基づく事務所衛生基準規則です。

この規則では、働く人が常にいる部屋の空間の大きさを、1人あたり10立方メートル以上にすることになっています。設備が占める分と、床から4メートルを超える高さの空間は除いて数えます。たとえば天井の高さが2.5メートルの部屋なら、1人あたり床面積4㎡分の空間が必要という計算です。

ほかにも、窓など外の空気を取り入れられる部分の面積を、床面積の20分の1以上にすることが定められています。机の上の明るさは、一般的な事務作業で300ルクス以上で、この照明の基準は2022年12月に改められています。ただし、これらはあくまで最低限の線です。快適に働ける広さは、もっと大きくなると考えておいてください。

その先の働きやすい広さは、平均の数字を当てはめるより、使い方から積み上げていく方法をお勧めしています。

まず、1人分の机と椅子、その後ろを人が通れる空間を考えます。次に、全員で使う場所を足します。会議や打ち合わせの場所、複合機や書類の棚、来客が待つ場所や休憩・昼食の場所です。最後に、倉庫や収納として使う空間を加えます。

こうして積み上げると、人数が同じでも、会社によって必要な広さはかなり違ってきます。たとえば書類や商品の在庫が多い会社は、収納の分だけ広さが要ります。反対に、打ち合わせを外で済ませて書類も電子化している会社なら、思ったより小さな部屋で足りるでしょう。

民間の調査会社が、1人あたりの広さを含むオフィスの調査を公表している場合もあります。目安として見るときは、面積に会議室や受付が含まれているか、どんなビルを対象にした調査かを確かめてください。数字だけを当てはめると、自分たちの働き方と合わないことがあります。

契約書の面積は、そのまま使える広さなの?

担当・山内

共用部分の一部を含めていることがあるので、図面と実際の部屋を見比べます。

事務所の契約では、自分たちだけが使う部屋の広さと、契約書に書かれた面積が一致しないことがあります。廊下やトイレなどの共用部分の一部を、契約の面積に含めているケースがあるからです。

お客様

資料では20坪とあったのに、内見したら思ったより狭く感じました。

担当・山内

そう感じること、ありますよね。共用部分の一部が、面積に入っていることがあるんです。

お客様

そういうことだったんですね。どう確かめればいいですか?

担当・山内

メジャーで机を置く場所を測って、何台並べられるかを見てみましょう。

契約の面積が広く書かれていても、実際に机を置ける広さが同じとは限りません。内見のときは、図面と実際の部屋を見比べてください。柱の出っ張りや窓際の空間で、使える広さが思ったより狭くなることもあります。

面積の単位にも気をつけます。事務所の広さは坪で話されることがよくあり、1坪はおよそ3.3㎡です。ただ、坪は計量法で取引や証明に使える単位ではありません。不動産の広告でも、面積はメートル法で表示することが決められています。図面や契約書では、㎡の数字を必ず見てください。

内見では、広さのほかに設備も見ておきます。コンセントの数や電気の容量、インターネット回線の引き込み、空調が使える時間帯です。ビルによっては、平日の決まった時間しか空調が動かないこともあります。人が増えるほど、こうした設備の差が毎日の働きやすさに響いてきます。

人が増えそうなら、どんな借り方がいいの?

担当・山内

少し広めに借りておくか、今の人数に合わせて増えたら移るか、の2つがあります。

少し広めの部屋を借りておくと、最初の数か月は空いている机が出ますが、移転の手間はかかりません。一方、今の人数に合う部屋を借りて増えたら移る方法なら、最初の家賃は抑えられます。ただ、移転のたびに内装や引っ越しの費用がかかります。

1年後に人が増える見込みがあるなら、契約の形も一緒に考えておきます。人が増えたときに、どう動けるかが変わるからです。

どちらを選ぶ場合も、契約書の契約期間と解約の条文を先に読んでください。事務所の契約は、解約の予告の期間が住まいより長く定められていることがあります。移る時期が見えてきたら、その期間から逆算して動く必要があります。同じビルの中で広い区画に移れるかどうかを、契約の前に聞いておくのも一つの方法です。

人が増えると、守る決まりも変わるの?

担当・山内

事務所なら建物の収容人員50人以上で防火管理者が要り、トイレは10人が境目です。

消防法では、一定の人数を超える建物で、防火管理者を決めることになっています。事務所の用途なら、建物の収容人員が50人以上のときです。

この人数は、自分たちの会社だけでなく、建物全体で数えるのが基本です。複数の会社が入るビルでは、ビルの管理者が防火の体制を整えていることが多いので、入居のときに確かめておきましょう。避難の経路や消火器の場所も、最初に全員で共有しておくと安心です。机や棚を置くときは、避難の通路をふさがないよう気をつけてください。

トイレの決まりは、事務所衛生基準規則にあります。同時に働く人が常に10人以内なら、男女で分けない独立した個室のトイレ一つで足りるとされています。人が増えて10人を超えると、この扱いが使えなくなります。小さな事務所を選ぶときは、ビルのトイレがどうなっているかも見ておいてください。

広さを測る前に、人数の見通しを。

事務所の広さは、今の人数に合わせるだけでなく、これから何人で働きたいかという計画でもあります。物件の資料を集める前に、今と1年後の人数を書き出してみてください。それだけで、見るべき物件は絞られます。毎日の出社の人数と来客の多さも添えていただければ、私たちもより具体的な候補をお出しできます。

よくある質問

法律の最低限は、床面積でいうとどのくらいですか?

天井の高さが2.5メートルの部屋なら、1人あたり床面積4㎡分の空間です。

坪で書かれた広さは、そのまま信じていいですか?

坪は、取引や証明に使える単位ではありません。図面や契約書では、㎡の数字を見てください。

人を増やすなら、広めに借りたほうがいいですか?

移転の手間を避けるなら広め、家賃を抑えるなら今の人数に合う部屋です。どちらでも、先に解約の条文を読んでください。