住まいの記事

間取り図だけで、部屋のことはどこまで分かる?

内見と部屋選び 約7分で読めます

おせっかい度 まぁまぁ、おせっかい

山内 祐人

図面だけで広さを決めるのは、少し不安ですよね。数字の意味と、図面に描かれないことの確かめ方を書きました。

目次
  1. 「25.00㎡」は、どこからどこまでの広さなの?
  2. 「洋6」や「1LDK」は、何を表しているの?
  3. 「納戸」や「S」と書かれた部屋は、何が違うの?
  4. 図面に描かれていないことは、どう確かめればいい?
  5. よくある質問

お客様

図面では広そうだったのに、家具を置いたら思ったより狭くなりました。

部屋探しのご相談で、こうしたお話を伺うことがあります。「洋6」「K」といった文字と専有面積を見比べるうちに、広さが分かった気になってしまうものです。

ただ、間取り図はあくまで部屋の「あらまし」を伝える図です。数字や記号には広告のルールで決められた意味があります。そのうえ、暮らしやすさを左右する柱や窓の高さは、図面にはほとんど描かれていません。

この記事では、図面に書いてあることの読み方と、書いていないことの見つけ方をまとめました。

「25.00㎡」は、どこからどこまでの広さなの?

担当・山内

同じ部屋でも、壁の厚みのどこから測るかで数字が変わります。

図面の「25.00㎡」といった数字は専有面積で、その部屋を借りた人だけが使える部分の広さです。

その測り方には、壁の厚みの真ん中から測る「壁芯(へきしん)」と、壁の内側から測る「内法(うちのり)」があります。壁芯のほうが、壁の半分ぶん広く出ます。分譲マンションの登記では内法で測ると不動産登記規則で決められているため、登記簿の面積は広告より小さくなるのが普通です。

分譲マンションの新築販売の広告では、専有面積が壁芯面積であることと、登記面積はそれより小さいことを書く決まりがあります。一方、賃貸の募集図面には、そうした書き添えの決まりがありません。気になるときは「この専有面積は、壁芯ですか、内法ですか」と聞いてみてください。

バルコニーは専有面積に入っていません。分譲マンションの広告でも、専有面積とバルコニー面積は分けて書く決まりです。

お客様

候補が2つあって、どちらも25㎡なんです。同じ広さと考えていいですか?

担当・山内

迷いますよね。数字が同じでも、壁のどこから測ったかで実際の広さは変わるんです。

お客様

なるほど。ベランダが広いほうが、少し得な気がしていました。

担当・山内

ベランダは専有面積に入っていないので、部屋の広さとは分けて比べてみてください。

「洋6」や「1LDK」は、何を表しているの?

担当・山内

「洋6」は壁芯で9.72㎡以上、1LDKならLDKは8畳以上が目安という意味です。

「洋6」の「6」は畳数です。畳の大きさは地域や建物によってまちまちです。そこで、不動産の表示に関する公正競争規約の施行規則という業界の広告ルールで、畳数の書き方が決められています。

この決まりでは、畳1枚あたり1.62㎡以上の広さがあるという意味で畳数を使います。部屋ごとの壁芯面積を畳数で割った数字が、1.62㎡を下回ってはいけないということです。つまり「洋6」なら、壁芯で9.72㎡以上はあることになります。

畳数は「少なくともこれだけはある」という下限の数字です。同じ6畳でも、9.8㎡の部屋と10.5㎡の部屋がありえます。家具の配置を細かく考えたいときは、内見でメジャーを当てて確かめるのが確実です。

続いて「1LDK」です。間取りの「1」は居室の数で、うしろのアルファベットはキッチンまわりの部屋を表します。Kは台所、DKは台所と食堂を兼ねた部屋、LDKは居間・食堂・台所を兼ねた部屋です。どれも規約で意味が決められていて、名前を好きにつけてよいわけではありません。

規約では、DKやLDKは居室の数に応じて、その用途に使えるだけの広さや形、機能をもつ部屋とされています。その広さの目安として、公正取引協議会は2011年に指導基準を示しています。下の表が、DKやLDKと書くときの最低限の広さの目安です。

居室(寝室)の数 DKの目安(下限) LDKの目安(下限)
1部屋 4.5畳 8畳
2部屋以上 6畳 10畳

目安に届かない広さをDKやLDKと書くのは、この基準に沿わない書き方です。1Kは台所と居室が分かれている形なので、台所の広さは図面の畳数や寸法で確かめてください。

このほかにも図面には、文字数を減らすための略号がたくさん使われています。会社によって書き方は少しずつ違いますが、よく見かけるものを表にまとめました。分からない記号は、担当者に確かめてください。

記号 意味
冷・冷蔵庫 冷蔵庫置き場
洗・W 洗濯機置き場
CL・収 クローゼット・収納
MB メーターボックス(水道やガスのメーターを入れる場所)
PS パイプスペース(配管が通る場所)
UB ユニットバス

「納戸」や「S」と書かれた部屋は、何が違うの?

担当・山内

広さは普通の部屋と変わらなくても、窓の条件を満たさず居室にはあたりません。

間取りに「2SLDK」のようにSが入っていたり、一室に「納戸」と書かれていたりすることがあります。Sはサービスルームの略で、どちらも窓の決まりを満たさない部屋を指します。

建築基準法第28条では、住宅の居室に採光のための窓を設けるよう求めています。窓の採光に役立つ面積は、原則として床面積の7分の1以上が必要です。換気のための開口部も、床面積の20分の1以上が要ります。

この割合を満たさない部屋は居室と認められないため、広告では「納戸」などと書くよう規約で決められています。首都圏不動産公正取引協議会も、こうした部屋は居室として書けないと説明しています。「2LDK」などの数字に数えることもできません。

それでも、納戸を寝室や仕事部屋に使う方はいます。内見で窓が小さいと感じたら、「この部屋はサービスルームですか」と聞いてみてください。

お客様

2SLDKの「S」の部屋を仕事部屋にしたいんですが、普通に使えるでしょうか?

担当・山内

そう考える方は多いですね。ただ、法律上は居室にあたらない部屋なんです。

お客様

そうなんですね。使うとしたら、何に気をつければいいですか?

担当・山内

窓が小さい分、日中も暗くて空気がこもりやすいことがあります。内見で窓の大きさを見てから決めてください。

図面に描かれていないことは、どう確かめればいい?

担当・山内

柱や梁、天井と窓の高さは図面に出にくいので、書き込んだ図面を持って測ります。

描かれていないものの代表は、部屋の角に出っ張る柱や、天井から下がる梁です。柱があると、図面どおりの位置に家具が収まらないことがあります。梁の下では、背の高い棚が入らない場合もあります。

天井の高さも、めったに書かれていません。建築基準法施行令では、居室の天井の高さを2.1m以上と決めています。ただし高さが場所で違う部屋は平均で測るので、一部だけ低いこともあります。

窓の高さや、腰の高さの窓か床までの窓かも、図面からは読み取りにくいものです。ドアの開く向き、コンセントやテレビ端子の位置、エアコン用の穴の場所も、書かれていない図面が多くあります。募集図面は縮尺どおりとは限らないので、定規を当てて広さを測るのはやめておきましょう。

そこで私がおすすめしているのは、内見の前に図面を印刷し、測りたい場所を丸で囲んでおく使い方です。家具を置きたい壁の幅、カーテンを付ける窓の幅と高さ、冷蔵庫と洗濯機の置き場が目安になります。

当日は、測った数字をその場で図面に書き込み、柱や梁、コンセントの場所には印を付けます。ドアが開く向きを矢印で足しておくと、家具と扉がぶつからないかも分かります。床から窓の下端までを測れば、窓の前にベッドや机を置けるかが分かります。

お客様

背の高い本棚を持っていきたいんですが、図面を見ても入るかどうか分からなくて…。

担当・山内

気になりますよね。天井の高さや梁は、図面にほとんど描かれていないんです。

お客様

やっぱり、当日に測るしかないんですね。

担当・山内

図面を印刷して、本棚を置きたい壁に丸を付けておいてください。当日はそこで高さと幅を測れば足ります。

図面は入口。暮らしやすさはメジャーで測る。

書き込んだ図面は、いくつかの部屋を比べるときにも役立ちます。数字と印がそろっていれば、帰ってから落ち着いて見比べられます。

間取り図にあるのは、決まりに沿った最低限の情報だと私は見ています。数字の意味を知り、書いていないことに印を付けてから、内見に出かけてみてください。

よくある質問

6畳の部屋は、どれくらいの広さですか?

壁芯で9.72㎡以上あるという意味です。同じ6畳でも、実際の広さには幅があります。

バルコニーは、専有面積に入っていますか?

入っていません。ベランダの広さを、部屋の広さに足して考えないようにしてください。

図面に定規を当てて、広さを測ってもいいですか?

おすすめしません。募集図面は、縮尺どおりに描かれているとは限らないからです。